【11月19日】ぴょんぴょこ踊りながら帰って行きましたとさ 前編

FBページのエッセイを転載※
長男の通う小学校の学年全体で次の参観日に「オペレッタ」なるものをやるらしいです。
「おぺれった」?うん?何じゃらほい?聞いたことないわ。

分からないことはグーグル先生に聞くしかありません。
先生一番のご贔屓ウィキペディアさんによるとこうです。
曰く「軽い歌劇。小歌劇。」とのこと。
・・・・・・もっとわからんわ!
軽いってどう軽いねん!子どもがやるから軽いってこと?
だとしたら子どもの力をなめるなと言ってやりたいし、小歌劇の「小」はなんやねん?
じゃあ普段やってる歌劇は正式に言うと大歌劇なのか?オペレッタ=わかりやすい、短い歌劇。こんなところでしょうか。
そういう認識で以降話を進めます。

 
なぜこんな話をするのかと言うと、このところ長男のオペレッタに対する情熱が日々高まっており、帰ってくるなり「今日はみんなで読み合わせをした」など嬉しそうにお話ししてくれる姿が可愛いのです。

単純に楽しいのでしょう。彼がキラキラした顔で率先して話をしてくれる時はいつもそうですから。
そのオペレッタに関して最近ちょっと悩みがあるらしく、相談を持ち掛けられました。
「オペレッタのセリフに動きをつけるんだけど、俺はまだ決めれへんねん。ちょっと難しい。」とのこと。

 

悩む息子を放っておくことなんてできません。
「よっしゃわかった。ママも一緒に考えるわ。どんな風にわかれへんの?」
鼻息荒く彼の相談を聞きます。

 


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私が長男から聞いている情報はこうです。

オペレッタの演目は「たぬきの糸車」
長男のセリフは最後のシーン「ぴょんぴょこ踊りながら帰っていきましたとさ」だそう。

 

「たぬきの糸車」はあれです、ざっくり言えば鶴の恩返しの狸バージョンです。
罠にはまった狸が助けてもらったお礼におばさんちの糸車を拝借して糸を上手に紡いで恩返しをしたという感じ。

その狸が秘密裏に糸を紡いでいたのがおばさんばれて帰る様が「ぴょんぴょこ踊りながら帰っていきましたとさ」なのです。
ばれて気まずい。だけど踊りながらと言うことは、
「内緒で糸を紡いでいたのがバレちった。でもぼくちゃんいいことしたもんね。てへっ。」っていう心理でしょうか。これを表す動作が思いつかないと。
私は思いついたままに、
全力でスキップしながら手を振って「ぴょんぴょこ踊りながら帰っていきましたとさ」を表現。

私「これどう?」
長男「うーん、ちょっとそれは…。」
半笑いしながら却下されました。
私「なんでよ?」
長男「だって狸はスキップしないと思う。それになんかなぁ・・・」
ここで私は気づきました。
狸がスキップしないのも正解だけど、どちらかというと彼は恥ずかしい気持ちが勝っているのです。

周りの目を気にして既に照れがあるのです。
もっと言えば自分のクラス内カーストを意識しているのかもしれません。

 

 

手前味噌ですが、彼は利発な優等生タイプ。
恐らく彼もその自覚があります。

つまり「かっこいい、人気者の俺様がかしこまった場所でスキップだなんて。恥ずかしいじゃないか。」彼の心の声を代弁するときっとこうです。
気持ちはわかります。
うん、無難にやりたいよね。
目立つと恥ずかしいよね。
だけどせっかくこうして相談してくれたのです。
手段は違えど「伝える」ことを今仕事にしている私です。
私だからこそ彼に伝えられることって何だろう?

 

 

つづく

FBページにてこのようなエッセイを書いています。はらぺこかぞくのFBページに「いいね」をいただければ更新情報が届きます。よろしければどうぞ^^


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ABOUTこの記事をかいた人

浜田 綾

ライター/コピーライター/エッセイスト 1981年生まれ 大阪府高槻市在住 企業で10年間ビジネス文書の作成に携わる。 同年7月電子書籍「ペコのプチエッセイ」を出版。 編集者、コピーライターとして活動の幅を拡大中。 幻冬舎・箕輪厚介氏主催の箕輪編集室にて「嫌われ者たちのリレー式コンテンツ会議」の編集リーダーを務める。2017年6月に「コトバノ」という屋号でフリーランスとして開業。